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17歳のカルテ(GIRL, INTERRUPTED)

2010.12.20

category : FILMS

17歳のカルテ コレクターズ・エディション [DVD]17歳のカルテ コレクターズ・エディション [DVD]
(2007/07/25)
ウィノナ・ライダー .アンジェリーナ・ジョリー.ジャレッド・レト

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ご覧になった方も多いでしょう、この映画。
ワタシのいくつかある「仲良くなれる基準」の映画の内の1本です。
実際に境界性人格障害で悩んでいたウィノナ ライダーが企画に惚れ込み、
製作主演をした意欲作です、その意欲が映画全体に満ち溢れた感じ。
主演俳優それぞれが迫真の演技で映画を盛り立てています。


何と言ってもこの映画はアカデミー主演女優賞を受賞したアンジェリーナ ジョリーの
鬼気迫る演技が見どころ。
アスピリン1瓶をウォッカで流し込んで病院に運ばれたことから、
クレイモア病院に収容されたスザンナ(ウィノナ ライダー)の今にも折れそうな繊細さと、
それとは対照的なリサ(アンジェリーナ ジョリー)のカリスマ性と凶暴性。
恐らくリサは反社会性人格障害。
こいつに近寄ったら面倒だと言うのは分かるんだけど、
なぜかリサに惹かれてしまう感じ。
アンジーがはまり役過ぎて、自分の目の前に本当にリサがいるような
そんな気がしてきます。
何が正義で、何が優しさで、「正常」と言うのは本当に存在するのか。
逃亡の足がかりに退院したデイジーの家に転がり込み、
翌朝自殺していたデイジーを「私が背中を押してやった」と
血も涙もないことを言う。
しかしリサがただ単に残酷なだけなのか、デイジーが弱かったのか、
デイジーを助けられなかったスザンナが悪いのか、
人間の心はそこまで単純でもない。


いい映画かどうか賛否別れそうだし、
精神病院の話では「カッコーの巣の上で」と比べれば劣ると言う人もいるけど、
この映画は他の映画と比べてどうこうって物でもなく、
それは「カッコーの巣の上で」に関しても同じことかと。


それにしてもアンジーの演技の迫力がものすごいです。
スタッフに抱えながら大暴れするシーンとか観てると、
あぁそりゃトゥームレイダーやるわとか思いましたw
ウィノナの演技もアンジーに比べれば地味だけどすごくいい。
スタッフのウーピー ゴールドバーグも味わいのある役だし、
デイジー役で、先日亡くなったブリタニー マーフィーも
難しい役どころを見事に演じていました、早すぎる死が惜しいです。


そしてこの映画、「人格障害」と「精神病」の違いを分かった上で観ると、
またちょっと違う印象かも知れません。
ワタシもまだイマイチ捉えきれない部分があり、大変難しいところですが、
ネット上のレビューを読むと、精神病と間違ってる人が多いようです。
精神病は病気です。
人格障害は病気ではありません、性格です。
人は誰でも性格傾向がありますが、人格障害はそれが極端で、
生きる上で、生活する上で自分自身や周囲の人間が不自由する、
そういう性格上の問題です。
もちろん病気と同様に不便不自由なことは生じるとは思いますが。
ここを間違うと、映画として弱い印象になるかも知れません。


というのも、人格障害関連の本を読んだので、
それに関してはまた後ほど別エントリを立てさせて頂きます。


しかしリサ(=アンジー)はかっこいいな、本当に男前。
デイジーを死に追いやるようなことも言うけど、
数人集めて病院の地下(?)でボーリングやる音頭取ったり、
スザンナのお高く留まった知人に返り討ち食らわしたり、
スザンナの恋人が尋ねてきたときに見回りを妨害するとか、
決して残酷なだけではなく、友達思いな所もある。
ガソリンかぶって火を点けたせいで顔にやけどのあとがあるポリーが
「誰も私にキスしてくれない」と嘆き悲しんで別の部屋に閉じ込められたときに、
スザンナと一緒に「ダウンタウン」を歌うシーンも、本当にかっこよかった。
あれは惚れるわ~。
反社会性人格障害というには、人情味ありますよね。
印象としてはもっと冷酷非情で、他人を思いやることもない感じなんですけど。
リサはリサで誰かに背中を押して欲しかったと、最後に涙ながらに訴えますが、
その触れ幅の大きさも見事に演じきってました。
リサの後日談が知りたいなぁ。


ウィノナが自分よりもアンジーの方が評価が高かったため、
「リサを演じれば誰でもオスカーが獲れる」とひがみたっぷりに言ったそうですが、
リサ役はアンジー以外には考えられないです。
すばらしい配役だったと思います。
逆にスザンナはウィノナにしかできなかった役です。

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